ニキビの実は・・・
ニキビがある・無いにかかわらず、顔の皮膚常在菌の8割以上がアクネ菌

ニキビは一般的な皮膚疾患で、10代では85%、成人でも11%が罹患しており、ほとんどの人が経験するものです。そしてニキビと言えば、アクネ菌を殺菌するケアが浸透しています。しかし、顔の皮膚常在菌の8割以上がアクネ菌で、全てのアクネ菌が悪さをしている訳ではないことが、アメリカの研究グループによって報告されました。
研究グループは、22人の健康な人の皮膚の毛穴から皮膚常在菌を同定したところ、アクネ菌が最もメジャーな種(89%)である事を確認しました。また、49人のニキビ患者と52人の健康な人の鼻の毛穴から収集したアクネ菌を詳細に分類し、リボタイプ(RT)と呼ばれる遺伝子型で分類した所、ニキビ患者由来のアクネ菌株と健常者由来のアクネ菌株に関連性を発見しました。この分類の中でアクネ菌RT4とRT5は主にニキビ患者に多く見られ、RT6は、健康な皮膚と強く関連しており、アクネ菌の一部の株がニキビの発症に関連している可能性が示唆されています。

また、他の研究グループは皮膚の赤みを引き起こすと考えられているアクネ菌のポルフィリンの生産能力とその制御メカニズムについて詳細な検討を行った所、RT4,5株はRT6と比べてポルフィリン生産能力が高く、ビタミンB12をアクネ菌に加えることでRT4,5はポルフィリン生産能力が亢進され、RT6ではポルフィリン生産能力に変化は見られなかったと報告しています。

これまでにニキビを発症しても、青春のシンボルとして仕方なく我々は受け入れてきましたが、これらの研究は、治療によって皮膚常在菌叢を健康な皮膚状態に変化させニキビの発症を防ぐ新たな治療方法に繋がるかもしれない。


ライター:Boro
徳島出身、令和元年に出産、ワンオペ育児の為、時短料理や家電を駆使し仕事と育児の両立を目指してる新米ママ&研究者。
学生時代に悩まされた肌荒れ、もっと早くにスキンフローラを知っていれば、違うアプローチからお肌をケアしより良い学生生活を送れたかもしれません。
皆様に研究者目線で選りすぐった最新情報を提供します!

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