空気に曝されている肌は。

こんにちはゾエです。
近年、環境問題が取り上げられることが多くなりました。
スキンフローラにも、環境問題と関わる研究が発表されたので、この機会にご紹介したいと思います。
今回取り上げさせていただくのは、環境問題のなかでも大気汚染です。

生活で大気汚染を意識することは少ないですが、影響は大きなものになっています。
世界保健機関(WHO)によると、大気汚染の拡大が続いており、
肺がんや呼吸器疾患など、年間約700万人が死亡しているとみられています。
大気汚染はスキンフローラにも無縁ではなく、影響を与えることが研究で判明しました。

大気汚染に曝された地域での研究

大気汚染で有名なのは中国です。
1980年以降中国では急速な工業化が起こりました。
そのため、都市全体の汚染物質は驚くレベルで発生しています。

今回、200人以上の中国人のスキンフローラを臨床試験にて調査しました。
多環芳香族炭化水素(PAH)等によって大気汚染された都市(保定)と、それほど大気汚染されていない都市(大連)、この2つの都市に住む参加者を研究対象に調査しました。
保定は、大連よりもPAHの濃度が1.5〜2.8倍、PAH代謝物で1.1〜2.3倍高いことがわかりました。

2つの都市に住む人のスキンフローラを比較すると、頬ではPAH曝露と、プロピオニバクテリウムおよびマラセチアの存在量との間にそれぞれ負および正の相関が見られました。
さらに微生物ネットワークの構造特性が、2つの都市の頬と頭皮の部位で異なっており、さらに保定と大連のにきびとフケの部位のフローラは、健康な部位と比較してネットワークの安定性の低下に関係していました。

PAHがもたらす影響

PAHは最も広範囲に渡る有機汚染物質の一つです。
化石燃料や炭素を含む物質(木材、タバコ、脂肪、香など)の不完全燃焼によって生成されます。

PAHによるフローラの変化は、炭水化物/脂質/アミノ酸代謝に関連する微生物叢の機能性の変化や病原性を増やし、またPAHの分解をもたらします。そして大気汚染のある都市で観察される皮膚障害の悪化に関与する可能性があります。

大気汚染とスキンフローラ

安定したスキンフローラのネットワークは、皮膚を保護する可能性があります。
そんなネットワークを変化させる可能性を持つものがPAHです。

この研究は、大気汚染による皮膚の深刻な変化を明らかにしました。
大気汚染物質から皮膚を保護する際にスキンフローラを活用する研究に繋がり、
この研究をきっかけに、皮膚への大気汚染の影響を和らげることが可能になるかもしれません。


ライター:ゾエ
大阪府出身、趣味はスケートボード、好きな食べ物はチャーハン、そんな学生ライターです。
まだまだ未知の領域のスキンフローラ。これから僕たちの生活にどのような”幸せ”をもたらしてくれるのか楽しみです。
近い将来、僕のニキビたちもフローラの力で完治する事を願っています。
皆様に新たな気づきや役立つ知識が得られる、分かりやすい記事をお届けします。

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